―施設情報―


名称     UCCコーヒー博物館
住所     神戸市中央区港島中町6-6-2
電話番号   078-302-8880
営業時間   平日…10:00~17:00(最終入館は16:30分まで)
休館日    毎週月曜日(祝日の場合は翌日休館)、年末年始
入館料    大人(高校生以上)…300円、中学生以下…無料
予約の有無  各種体験プログラムには要予約
交通案内
電車…
・神戸新交通ポートライナー「三宮」駅乗車、北埠頭方面「南公園」下車徒歩約1分
・駐車場
専用駐車場はありません。近隣の有料駐車場をご利用ください。
その他
・団体割引、障がい者割引あります。
公式HP    UCCコーヒー博物館


以前紹介させていただいたバンド―神戸青少年科学館。その隣にあるのがここ「UCCコーヒー博物館」。
UCCコーヒー博物館は神戸中央区のポートアイランドにある企業博物館です。1981年に開催された神戸ポートアイランド博覧会の参加にあたり、UCC上島珈琲がコーヒーカップの形をしたパビリオン”UCCコーヒー館”を出展したのが始まりです。
1987年に名称を現在の「UCCコーヒー博物館」に変更するとともに、大幅なリニューアルをして生まれ変わりました。
さらに2013年にはUCC上島珈琲の創業80周年を記念して10月1日(コーヒーの日)に展示内容を全面改装し、改めてリニューアルオープン!!

UCC上島珈琲株式会社は神戸市中央区に本社を置くコーヒーを中心に展開している飲料・食品メーカーです。
上島忠雄が昭和8年(1933)年に個人商店として創業したお店がそのルーツ。昭和44年(1969)年に世界初のミルク入り缶コーヒーを発売したことをきっかけに自社のコーヒー農園を開設され、以降は目覚ましく発展されている会社です。

展示内容としては「コーヒーの起源って?」「コーヒーの育て方って?」「商品化するまでにはどんな風に作られているの?」「コーヒーの楽しみ方って?」様々な疑問や謎に迫りつつ、答えを導きだしてくれる、そんな楽しさが体験できる展示内容になっています。

1Fホールにはできたてのコーヒーが試飲として味わえる「TASTING CORNER」や一般のご家庭でも育てられるコーヒーの木が目を引きます。

受付フロアーからエスカレータで上の階に行くと展示室1にたどり着きます。そこからは緩やかなスロープを下るように展示を楽しむことが出来ます。
展示室1から眺めてもわかるように、内装にもものすごくこだわりが感じられ、とってもお洒落ですね。

これが「コーヒーノキ」とっても小さくてかわいいです。
コーヒーノキはアカネ科に属する植物の総称で、その野生種の多くはアフリカ大陸西部から中部にかけて分布しています。
発芽から3~5年で花が咲き始め、その後50~60年の間コーヒーチェリーと呼ばれる果実が出来、その果実の中に入っている種がコーヒーの生豆になります。
※展示コーナーでは花の色や果実についての解説などがあるため、事前に調べずに行った方が楽しめるかもしれません。

展示室1では主にコーヒーの起源について詳しく解説されています。
大きめのモニターがありますので、画面をタッチしてコーヒーの起源について学んでみましょう!!

展示室2では主に栽培について学べます。花の色や果実について、また国際的に取引されている”アラビカ種”と”カネフォラ(ロブスタ)種”の違い、生産割合や栽培時に使用されているミミズを使用した堆肥づくり、コーヒーノキに被害を及ぼす害虫や病気に対する取り組みなど、見ているだけでも時間がたつのが早いです。

その中でも私たちが驚いたのがこれ。
1本のコーヒーノキから収穫される豆の量の希少さ!!収穫される豆の中には虫食いや規格外の物があるのでその豆を取り除き、商品になれるのはわずかppg!!
これを見ると今まで以上に、コーヒーの生産に携わっておられる方々に感謝の意を表さないわけにはいきません。

展示室3ではコーヒー鑑定について詳しく学べます。
この展示室でのインパクトは、スロープの壁に掲げられた多くの麻袋。
麻袋には番号表記された輸出国名、業者名、生産国名、銘柄、等級、品種、出港や入港する港名などが記載されており、麻袋を見ただけで様々な情報がトレーサビリティーとして機能しています。
ここで余談です。「VEGETAPSY」では貝ボタンの原料である「巻き貝や黒蝶貝」の話もいくつか出てきます。その貝の原料もやはり麻袋に入っていて、番号や記号が記銘されていますが、コーヒーの麻袋のように明確にわかるようなものではありませんでした。印刷が薄く荒いため、私たちは翻弄され困った状況に悩まされることになります。まだ先の話になりますのであまり書きませんが、”貝の入った麻袋にも、なんでここまで明確に書いとかねぇんだよ!!”このコーヒーの麻袋を見ながら妬み、羨みながら私たちはそう思いました…。

ここではブラジル・サントスのコーヒー豆鑑定ルームを再現しています。
コーヒーの生豆を触ることも出来ますし、コーヒーを炒るための焙煎器や鑑定で使われるさまざまな道後の紹介もされています。

展示室5では主にコーヒーの味を左右する「焙煎」について詳しく解説されています。


焙煎器にはいくつか種類があり、直火式焙煎器や熱風を利用した熱風式焙煎器、その中間である半熱風式焙煎器などがあります。
この他にも19世紀後半のフランスで使用されていたドラム式焙煎器や20世紀初頭のぜんまい式焙煎器、18世紀のイギリスで使用されていた手回しドラム密閉型焙煎器などが展示されていました。

またパネルではコーヒー豆のブレンド方法や豆の挽き方、サイフォンやコーヒーミルの選び方などは解説されているので、これから本格的にコーヒーを楽しみたい方にとってはとても参考になります。

ここからは主に抽出に特化したコーナーです。
古き良き時代に使用されていた抽出器の名品の展示や、家庭でコーヒーを楽しむための基本、アレンジメニューの情報が紹介されています。
名品の展示では18世紀末のフランス製コーヒー沸かし、コーヒー粉末と水を入れてから火にかけて抽出するイブリック、コーヒーの粉がポット内部に入らない金属フィルターが付属しているコーヒーアーンなどがあります。


最後は展示室6。このコーナーはコーヒーに関係する文化について深く掘り下げています。


メインの展示はコーヒーカップ。フランス製のリモージュや旧ソ連連邦ラトビア共和国のリガ、1709年にヨーロッパで初めて白い磁器を焼くことに成功したことでも有名なマイセンetcetc。

1Fには文豪が描いたコーヒーシーンの紹介やコーヒーをデザインした切手、コーヒーを題材にして作詞作曲された名曲の紹介、コーヒーに関する書籍コーナーなどがあり、ものすごく楽しめます!!

しかしちょっと待ってください。
せっかくUCCコーヒー博物館に来るならば、このイベントを見逃すわけにはいきません!!
それは「コーヒー焙煎体験」。

用意された5種類の中からお好みのコーヒーの生豆を選び、手編みを使って焙煎を体験できるプログラムです!!

開始時にはUCCコーヒー博物館オリジナルの軍手、焙煎をした豆に風を送って冷ますための団扇、完成したコーヒー豆を入れるための袋、コーヒーに関する知識が丸見えのパンフレットなどが用意されています。

用意されているコーヒーの生豆はこれ。

南米産のコロンビアとブラジル、アフリカからはキリマンジャロ、エチオピア産のモカ、そしてインドネシアのスマトラ島のスマトラマンデリン。

☆コロンビア…ブラジルよりも深いコクが特徴。苦みに加え柔らかな乳酸系の酸味があります。
☆ブラジル…日本ではよく使われている豆。ブラックで飲むとナッツのような香ばしさが特徴。酸味が少なく、苦みを楽しみたい方向け。
☆キリマンジャロ…用意された5種類のコーヒーの中では一番酸味を感じます。キリマンジャロの酸味は柑橘系のフルーティーな酸味。
☆モカ…華やかな甘い香りが特徴。酸味もありますが、どちらかと言えば紅茶に似ています。
☆マンデリン…用意された5種類のコーヒーの中では一番ユニークな味。あんずのような甘酸っぱさとハーブような香りとスパイシーさが特徴。

そこでこんな質問をしてみました。
「この中で一番人気のない種類は何ですか?」
スタッフの方は困っていましたが、やはりブラジルはコーヒーとして一番なじみがあるので、どちらかと言えばあまり味わったことのないマンデリンに挑戦するお客様が多いようです。
私たちはコロンビアを選びました。次回参加した時にはマンデリンにも挑戦したいですね!!

体験の工程はそんなに難しくはありません。手網に生豆を入れてコンロで炒ります。
ミディアムローストにするのか?それともハイローストにするのか?焙煎度は自分のお好みでローストしていきましょう。
「炒り過ぎてしまったらどうしよう!!」そんな心配もありますが、大丈夫です。それぞれの焙煎度に合わせてローストしたサンプルが目の前に置かれていますので、そのサンプルを参考にして炒りましょう。

ローストしたらいったんざるに移し、紙製の団扇で風を当てて冷ましましょう。

完成品。おぉ!!美しい!!
この豆は袋に入れて持ち帰ることが出来ます。家に帰ってお好みの抽出方法で楽しみましょう。
ただし焙煎してすぐは本来のコーヒーの味が出ません。袋に入れたまま約1ヶ月ほど保管し、熟成させてから抽出しましょう!!
ポートアイランドに行った際にはぜひ立ち寄っていただきたい企業博物館でした。


 

 

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