―施設情報―


名称     三光丸 クスリ資料館
住所     奈良県御所市今泉700-1
電話番号   0745-67-0003
営業時間   午前9:00~午後16:30
定休日    土曜日(第1土曜日は営業)、日曜日、祝日、年末年始、夏季休暇 ☆その他に臨時休館日があります
料金     無料
交通案内
・近鉄吉野線「市尾」駅下車、徒歩15分
・JR和歌山線「掖上」駅下車、徒歩7分
お車     無料駐車場は10台分ありますが、大型車は道路が狭いため進入不可
その他    ・10名様以上の団体は予約が必要です。
オフィシャルサイト 三光丸 クスリ資料館


奈良県は富山県と並んで家庭配置薬の有名な地域です。
その家庭配置薬の会社にも「クスリ資料館」があると聞いたので、行ってみることにしました。

訪問すると会社の方が丁寧に案内してくれました。

ここが資料館の受付。奥の部屋で、三光丸についての映像が見られます。
昔話風に話が進む7分間の映画です。
推古天皇の薬狩りから始まって服薬の調合、三光丸の由来までなかなか見ごたえのある作品でした。
このフロアで一番目に付くのが、白澤。
この白澤は古代中国の伝説上の獣で、獅子に似た体に顎ひげのある人の顔を持ち、6本の角と9個の目を持った姿をしています。
日本では災難や病気を除ける霊獣として知られているのです。
江戸時代にコレラが大流行した時にも、”病魔退散”のお守りとして持ち歩かれていました。

まさに幻想的な空間です。演出的にはなかなかグレードが高いと思います。

これが「三光丸」で使用されている原料です。三光丸は薬草だけで作られている胃腸薬です。この5種類の内、4種類が原料で残り1種類がコーティング剤です。

まず、センブリという苦い薬草。センブリ茶の原料としても有名です。テレビのバラエティー番組で罰ゲームのネタとして使われることもあるようです。センブリは”胃が元気になる”イメージの薬草です。

シナモン。桂皮です。管理人の友人が禁煙をする際に代用として使っていたのがシナモンスティック。その話をすると友人が使用していたのはおそらくスリランカなど別の産地のもので、三光丸に使用されているシナモンとは種類が違うのです。
三光丸で使用されているのはベトナム産のシナモン。

陀羅尼助。キハダという木の皮で、主な成分はオウバク。7世紀末ごろに病気が大流行した際に、行者がこの薬を製造し多くの人々を助けたことで知られています。
主に下痢止め、整腸薬として使用されます。染料の原料にもなっています。
匂いを嗅ぐと良い香りがして、リラックスするにはいいかも知れませんね。

甘草。根の部分を乾燥させて使われるもの。多くの漢方薬に使用されている他、醤油やリキュールなどに使用されることもあります。砂糖の100倍くらい甘い生草。

最後は着色剤として使用されている薬用炭。これもれっきとしたお薬です。

これらをミックスし、コーティングすると、直径4㎜のお薬が出来ます。

和漢薬百科
一角クジラの角

一角の角も展示されていました。
一角とは「一角クジラ」のことで、これは角ではなく、”歯”。動物性の生薬として、解熱、解毒時に使用されるそうです。
現在はワシントン条約により、輸入が禁止されています。これは貴重なものを見させていただきました。

ここがメインの展示室。

昔に使われていたお薬のパッケージ、お薬を入れておくための薬箱もありました。

中央にある長いガラス瓶に入っているのが三光丸です。

大切に保存されている文献や、明治時代に使用されていた当時のパッケージ。

左側の木の板のようなものは仲ヶ間議定鑑札(なかまぎじょうかんさつ)と呼ばれるもので、配置売薬業を営む組合員に配布されたものです。
右側が製薬作業時に使用されていた昔の道具。現在はもちろん全自動で行われています。手作業で作られていた時は、時間と労力がものすごくかかったでしょうね。

これらの道具は一部手で触ることが可能です。
ぜひ、先人たちの”血と汗と涙”の咆哮を感じ取ってみてください。

ちなみにこのフロアーにも白澤が展示されています。製薬業界にとってはとても大切な神様なんですね。
右側の写真でマネキンが着ているのが”三光丸の法被”。この会社様の制服になっております。

原材料の一部が丸ごと展示されていました。なかなか迫力ありますよ。

和の庭(nagomi-garden)

三光丸様のクスリ資料館は展示品だけがメインではありません。見てくださいこの中庭を。ここも見どころの一つです。

隣接されている建物も一部展示品として公開されています。ガラス扉越しに見ましたが、膨大な量の資料が保管されています。より一層良質なお薬の製造のため、ここで日々研究と努力を積み重ねて来られたことが良くわかります。

この様に三光丸クスリ資料館は、薬にかかわった人々と知識と知恵を通じて、配置薬の歴史から現在までを学ぶことが出来るミュージアムになっています。

出口付近にある中庭です。なんと美しい…。よく手入れされておりますね。

お土産もいただけます。試供品として三光丸1回分(30粒)が入っております。このほかにカレンダーもいただきました。


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