―施設情報―


名称     資生堂企業資料館/資生堂アートハウス
住所     静岡県掛川市下俣751-1
電話番号   0537-23-6122
営業時間   10:00~17:00(最終入館は16:30まで)
休館日
月曜日(祝日・振替休日の場合は翌日休館)、夏季(8月中旬)、年末年始(12月~1月初旬)
展示入れ替えのため、臨時休館あり
料金     無料
予約の有無  無し ただし10名以上の団体見学の場合は要申し込み
交通案内
電車…
・JR掛川駅下車、南口よりタクシーで約5分、歩いて約25分
バス…
掛川駅南口より、市街地循環線(南回り)乗車、「資生堂アートハウス入り口」下車
お車…
・東名高速「掛川I.C.」より車で約7分
・新東名高速「森掛川I.C.」より車で約30分
その他
・スロープ、車いす貸し出し、多目的トイレ(オストメイト対応)完備
オフィシャルサイト  資生堂企業資料館 / 資生堂アートハウス


掛川市で化粧品に関するいろんなデザインやアートが見られる場所があるので、行ってみました。

ここは公園になっており、遊歩道を挟んで資生堂企業資料館と資生堂アートハウスの2つの建物があります。


こちらが資生堂企業資料館。正面からは分かりにくいですが、建物全体が三角形様に設計されており、アートを重視したことが良く伝わってきます。

ここではカメラ撮影は一部に限られています。その理由としては過去に発表された様々な化粧品容器の展示(意匠権など)や、モデルさんを起用した年代別のポスター(肖像権)、研究開発の最前線や社会活動、環境への取り組みなどを見ることが出来るため、できる限り保護するためでもありますね。

資生堂企業資料館は「美と知識の資料館」として創業120年に当たる平成4年(1992)に開設されました。
建物内には長い歴史の中で生み出された数々の商品やそのパッケージ、当時脚光を浴びていた芸能界の人物やモデルを起用した宣伝制作物やポスター、創業当時から今日までの企業の歩みや新聞広告・雑誌広告、ビューティーコンサルタントのコスチュームの変遷などが紹介されています。

撮影が可能なのは建物が並ぶレプリカと、この”ソーダ水製造機”が設置されているこの場所のみ。

資生堂は福原有信が創始者。嘉永元年(1848)に千葉県館山市に生まれ、18歳で幕府医学所で西洋薬学を学びます。その後、東京大学医学部の職員や海軍病院の薬局長などを経験し、明治5年(1872)に日本初の洋風調剤薬局として銀座に開業しました。育毛剤や日本初の練り歯磨き粉なども販売されていましたが”化粧品部門”を独立させ、それが現在の資生堂につながっていきました。

明治35年(1902)福原有信はアメリカで見たソーダ水製造機を見て感銘を受け、その実機やシロップ、コップ、スプーン、ストローに至るまでアメリカから取り寄せ、日本初のソーダファウンテン(現・資生堂パーラー)を開設しました。写真の物は当時の写真や資料をもとにして復元されたものです。

―ソーダファウンテンって何?―
ソーダファウンテン(Soda fountain)はアメリカのレストランやコンビニエンスストア、ドラッグストアなどの店内に設置されていた清涼飲料水を提供するための装置。アイスクリームや軽食を提供する際に利用されていたものです。
アメリカではジュースと呼ばれるものは果汁100%の物に限られるそうで、清涼飲料水でも「ソーダ」と呼ぶ場合があります。ですので、ソーダファウンテンで提供されるものは必ずしも炭酸水というわけではありません。

資生堂企業資料館の中で最も人気があったのが年代別に展示されている当時公開されていた宣伝広告ポスター。その日には企画展示としてポスターの企画もされていたので、その存在感が一際輝きを放ちます。
もう一つ、壁一面に展示された商品の数々。
パッケージ一つ一つもそうですが、ガラスケースに並べられた光景は圧巻です。これは一度は見ておくべき。さすが資生堂様。

2Fには「ものづくりコーナー」があり、資生堂化粧品の品質を学びながら実際に見て、香りを確認し、触って体験できるコーナーもありますので、ぜひ家族様や恋人同士で訪れてみてはいかがでしょうか?


遊歩道を挟んで向かい側には「資生堂アートハウス」があります。
ここでも入れ替え制で様々な企画展示が行われています。


こちらが資生堂アートハウス。
資生堂アートハウスは昭和53年(1978)に開設され、1970年代以降の日本人作家による作品を中心に常設展示が行われています。
そんな資生堂アートハウスでヴィンテージ香水瓶の企画展示が開催されていました。

香水瓶に関してはクリスタルガラスのブランド「バカラ」とフランスの装飾工芸家ルネ・ラリックの作品を中心に展示されておりました。
“タピスリー”とは織物関係の専門用語で「綴れ織り」の技法のことで、強く張った経糸に色彩豊かな緯糸を用いて文様を表すもの。様々な表現が日垣的容易にできたので古くから多くの地域で製作され、和装用の帯などで知られています。

ウビガン社
『LE PARFUM IDEAL』
の香水瓶
1907年頃‥バカラ製
ウビガンは革命前から続くフランスでも屈指の名門香水商として知られており、ルイ16世王妃マリ・アントワネットも顧客に一人だったそうです。

 

 


クリスチャン・ディオール社
『MIss Dior』の香水瓶
『Diorama』の香水瓶2種
1949年‥バカラ製
赤、青、白のボトルの色はフランス国旗を象徴したもの。
ラベルは貼られず、金彩で香水名と社名が記されているのが特徴。

 

 

ウォルト社
『SANS ADIEU』の香水瓶1929年‥ルネ・ラリック作
飾り気のない円柱状の香水瓶にオリジナルの黒いリボンと銀色のシールが貼られ、上部の円盤状のガラスを重ねた栓は電気を絶縁する碍子(がいし)のデザインを模したもの。

 

 

 


ロジェ・ガレ社
『PÅQUERETTES』の香水瓶
1913年‥ルネ・ラリック作
透明ガラスの香水瓶本体を左右から包み込むように栓がセットされた、特徴のある作品。
この栓の形状はロシア製のティアラ(王冠)からヒントを得たとされ、ラリックの装飾的な香水瓶を代表するデザインになっています。

 

 

ここでは展示内容を入れ替えながら様々な作品を堪能することが出来ますので、掛川市に行かれた際にはぜひ、立ち寄ってみてくださいませ。


 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です