―施設情報―
名称 シャープ株式会社 総合開発センター
住所 奈良県天理市櫟本町2613-1
電話番号 0743-65-0011
営業時間 午前9:30~午後17:00(最終入館受付は午後16:00)
定休日 土曜日、日曜日、祝祭日
料金 無料
交通案内
電車…JR桜井線/近鉄天理線「天理」駅下車。バスでシャープ総合開発センターすぐ。タクシーでは約15分。
駐車場 5台駐車可能
駐車料金 無料
その他 見学は予約が必要です。電話にて空き状況を確認しましょう。
オフィシャルサイト シャープ株式会社 総合開発センター
昭和初期の電気製品から現在の家電製品までを歴史に沿ってみることが出来ると聞いたので、ここシャープミュージアムにお邪魔しました。
入り口付近には古墳があります。この古墳は東大寺古墳というらしいです。シャープ様の敷地内には多くの古墳があり、古墳調査終了後、保存状態の良いものをシャープ様の協力のもと、この場所に移築したそうです。
案内してくださる社員の方と一緒にミュージアム内を回ります。
まず目に飛び込んでくるのが、当時の作業風景を表現した模型。
左がシャープペンシルの”芯”を作られている風景、右がラジオの製造時の風景。回転します。
シャープの創業者は「早川徳次」。1893年(明治26年)に東京で生まれました。2歳未満で養子に出され、養子先で厳しく当たられ、苦労の連続でした。そんな中で金属加工の仕事先で丁稚奉公をし、金属加工の技術を身に付けていかれます。
1912年「徳尾錠」というベルトのバックルの発明につながっていきます。
1915年(大正4年)にはシャープペンシルを発明されます。これがシャープの社名の起源ですね。
18歳の時にバックルを開発するんですよ?時代の背景もありますが、考え方が違いますね。
あなたは18歳の時、何をされていましたか?
または、18歳になったら”自分はこうなっているだろう”というビジョンを持たれていますか?
管理人なんて、パンクロック聴いて喜んでましたよ…。見習わないといけません…。
色んな種類のシャープペンシルが保存されています。日本国内よりも海外輸出が多かったそうですよ。珍しいものではペンの反対側にはさみが付いていて、字も書けるし紙も切れるというものや、ペンの中に体温計が内蔵されているもの、方位磁石が付属しているものまで様々です。
会社を立ち上げ、大きくし、「さぁこれから」という時に関東大震災が発生し、家族も工場も失ってしまいます。借金も返済しなければいけないので会社も手放されました。
後に大阪に移り住み、始められたのがラジオの製造。知り合いの時計屋さんからアメリカ産のラジオを譲り受けてそれを分解し、部品を研究することで成功されます。
もう一つのブログ”VEGETAPSY”でも竹之の話を書きましたが、まさに同じような状況ですね。 ☆竹之とラジオ⓵【VEGETAPSY4コマ-STORY46】
そうした努力の末に完成したのがこのラジオ。「鉱石ラジオ受信機」といいます。
音質は綺麗に聞こえましたが、音量が小さかったそうです。ヘッドホンをかけて一人一人それぞれ聞いていたようです。
この他にも、現在で言えばCDやDVDを乗せるためのトレーがボタン一つで自動で出てきますが、その仕組みの基となるレコードプレーヤー。ボタン一つで、聴きたいラジオ番組が受信出来る仕組みを搭載したラジオなども展示されています。
ここからテレビの登場です。左が国産初の白黒テレビ(1953年 価格175,000円)。右が国産初のカラーテレビ(1960年 価格500,000円)。
世界初の電子式卓上計算機。大きいですねー…。これはぜひ現物をご覧ください。
昭和39年に開発され、販売価格は当時の値段で535,000円だったそうです。当時の初任給が19,000円程でしたので、とても買えないくらいの高価なものでした。
それが時代の流れとともに小型化されていく様子が見られます。ここまで小さくするために”液晶”の開発が始まりました。液晶は最初、電卓に採用されたそうです。
電卓機能が搭載されたそろばんなんてあったんですね。これは知りませんでした。
昭和57年に発売されたパソコンテレビ。テレビの画像にパソコンの画像を重ね合わせるというもの。
左の写真は折り畳み式アイロン(1949年 昭和24年)。
右側がヒガシマル醤油様とのコラボレーションでしょうか?醤油樽の形をしたラジオなどもありました。
太陽電池というものがどのように出来るのかも、展示物を通して学べます。
桜色のダウンライトや、医療や介護の業界で使えそうな、肌で直接触れることなく生体の数値(心拍数や呼吸数)を計測できるシステムも展示されております。この写真では、管理人のデーターがリアルタイムで表示されています。画面一番上が心拍数です。
このシステムは健康かどうかを見るよりも、連続的に生体の反応やプライバシーを守りながら、心臓や肺に変化がないかどうかが確認できるシステムになっています。
ここは「ネイチャーテクノロジー」のコーナー。
洗濯機の底にある部品には、イルカが速く泳げるための”しわ”や”尻尾”をまねてその技術を取り入れることで、水流が縦にも横にも変化させることが出来る事や、蛾の目を研究してその構造をまねて作られたフィルムはあまり光が反射しません。その事により、美術館などのガラスケースに貼ると中の展示物が良く見えるなども見られます。ということが現物を見ながら学べます。
このコーナーでは液晶の様々な使い方や、今までのテレビでは出せなかった色や光の構造が学べます。
この液晶ディスプレイは試作品だそうで。後ろに置いているものが見える上、普通のディスプレイとしても使用可能なもの。この画面は半透明のように見えますが、もっと透明に作ることが出来るそうです。お洒落ですね。
これ以外にも見どころはたくさんあります。駆け足で見て回っても45分ほどはかかりました。じっくり見て回ると1時間30分ほどは楽しめます。
これを機にぜひ”早川徳次という方の人間ドラマ”を堪能してみてくださいませ。