―施設情報―
名称 おたべ本館
住所 京都市南区西九条高畠町35-2
電話番号 075-681-8284
営業時間 09:00~18:00
休館日 年中無休
予約の有無 体験は完全予約制
体験料 600円(ポストカード付)
定員 1回40名まで(12時のみ16名)
所要時間 1時間30分
対象年齢 小学5年生以上
交通案内
電車…
・近鉄京都線「十条」駅下車 徒歩約10分
・地下鉄烏丸線「十条」駅下車、2番出口より徒歩約30分
お車…
・京都南ICより北へ約10分
駐車場
・第一駐車場 乗用車10台駐車可能
・第二駐車場 バス5台または乗用車10台駐車可能
その他
・京都タワーサンド(2F)にもおたべ体験道場があります。ただし、工場見学はありません(映像説明はあり)。
・京都タワーサンド(2F)では、体験時間スケジュールが1日6回行われています。
・京都タワーサンド(2F)での体験料金は1200円(認定書+にっき抹茶おたべ付き)詳しくは公式HPをご覧ください。
公式HP 株式会社 美十
京都のお土産を製造販売している会社の一つに「おたべ」があります。
「おたべ」は粒あん入りの生八つ橋のことで、日本の有名なお米である「コシヒカリ」を石臼で挽いた「米粉」と、「北海道十勝産小豆」を使ったお菓子。
最近では「京ばあむ」が有名ですね。
「京ばあむ」は京都の地下水で作った京都産の豆乳と、国産100%の小麦粉で作った生地に、宇治抹茶と煎茶をブレンドした抹茶生地を”層”に重ね合わせたスポンジケーキ。
どちらもお土産にもってこいの逸品です。
そんな「おたべ」で、手作りをしてその場で食べられる体験施設が併設されているので、行ってきました。
本館の体験施設では昔ながらの京都の釜戸「おくどさん」を再現した道場で行われます。
京都では昔から”竈(くど/かまど)”に親しみを込めて「おくどさん」と呼んでいました。
昭和の香りを楽しみながらの「おたべ」作りに胸が高鳴ります!!
体験道場は完全予約制なので、準備も万端。すぐに始められます。
始める前には記念撮影もしていただきちゃいますよ!!
「おたべ」は「八ッ橋」と「生八ッ橋」いうお菓子と深いかかわりがあります。
「八ッ橋」は筝曲の八橋流の”八橋検校”という音楽家の名前に由来しています。
福島県で生まれ、江戸で三味線を弾きながら寛永13年(1636)にきょとに移り、筑紫流を発展させて八橋流を完成させた人です。
その検校の業績をたたえるために、琴の形をした焼き菓子が作られました。それが「八ッ橋」の始まりです。
シナモンの香りが心地よく、お茶にも紅茶にもよく合います。
「生八ッ橋」は八つ橋を焼く前の物。”生は美味しい!!”そのことは八ッ橋のお店では周知されていました。いわゆる”まかないメニュー”だったわけですね。
「おたべ」とは生八ッ橋の中に粒あんを挟んで三角状にした生菓子の商品名です。
昭和13年(1938)、「美十」という喫茶店が開店しました。
しかし、第二次WWの激化によりいったん閉店してしまいます。
昭和21年(1946)、「美十」は再起を図るため、八ッ橋の製造販売を開始。新店舗の出店をきっかけに、以前から目を付けていた生八ッ橋に粒あんを挟んで三角形に形を整えた生菓子に「おたべ」と命名し、販売を開始。これが「おたべ」の歴史です。
京都には15社ほどの八ッ橋屋さんがあり、それぞれ生八つ橋も販売されています。会社によっれその名称は異なり、井筒八ッ橋本舗では「夕子」、聖護院八ッ橋総本店では「聖」が販売されています。
パッケージに入っているのは米粉。
この米粉を鉢に入れ、少しずつ水を加えてゴムベラで塊が亡くなるまでよく混ぜます。
これをシリコーン樹脂加工のクッキングシートを敷いた木箱に流し込み、約20分間蒸します。
プラスチックのお盆の上に少量の砂糖をまぶし、その上に蒸した生地を乗せます。
とても熱いので注意をしながら、掌でよく混ぜ合わせます。
蒔(MAKI):先生、できました。こんな感じですか?
先生:ダメです!!もっとこの様に混ぜてください!!
勢いをつけて混ぜないと固まってしまいますよ!!
☆イラストはイメージです。
このイメージのような勢いで生地を混ぜましょう。
教えてくださる先生は、イラストのような感じではなく、もっと可愛らしい方なので、安心して体験を楽しんでくださいませ。
棒状に形を整えたら、スケッパーを使って3等分に切り分けます。
生地を一つ手に取り、指で窪みを付けたらその中に”ニッキ”や”抹茶”の粉を入れて、引っ張ったり折りたたんだりして指で生地を練り込んでいきます。
写真は左からニッキ入り、抹茶入り、何も入っていない生地。
生地に挟む「餡」は3種類用意されております。
左から粒あん、抹茶あん、こしあん。
お盆の上にきな粉(大豆を炒って、皮をむいて挽いた粉)をまぶし、綿棒にもきな粉をまぶしておきます。
生地を一つお盆に乗せてきな粉をまぶしながら、綿棒で伸ばしていきます。
スケッパーで端を切り取り、正方形に形を整えてからお好みの餡を乗せます。
三角形に折りたたむように餡を包めば「おたべ」の完成。
やってみるとわかりますが、意外に難しいですよ、これ。
またこの体験道場では抹茶も用意してくれています。
お茶碗に抹茶を、さらにお茶碗の1/3程のお湯を入れ、混ぜます。
とてもおいしく頂きました。白のおたべの生地には小さな穴が開いておりますが、これもご愛嬌という事で…。
体験工程の中で約20分間生地を蒸す時間がありますが、その待ち時間の間に工場見学も行われます。
「おたべ」で使用されている米粉は100%国産の”コシヒカリ”。玄米で仕入れ、自社精米し、米粉に加工しています。
生地に挟まれる「餡」は北海道十勝産の”エリモショウズ”。香りのよい小さな小豆を使用しています。
生地に練り込まれるニッキは国産の物が入荷しにくくなってきたため、”ベトナム産のニッキ”が使用されています。
製造の工程の見学もさせていただけちゃいます!!
ここでは出来立ての「おたべ」の試食もありますよ。
現在では完全機械化されておりますが、八ッ橋が誕生した初期の頃にはすべて手作業で行われていたので、「おたべ作り」を体験することで、当時の大変さがよく理解できます。
記念に「おたべ」を小粒化した商品「こたべ」を購入しました。
可愛らしいパッケージなので、プレゼントにも最適。
いろんな味を楽しみたい方にお勧めです。
☆写真に写っているライターは京都駅前地下街ポルタにある喫茶店「イノダコーヒー」さんのもの。