―施設情報―


名称     元薬師寺跡
住所     奈良県橿原市城殿町
電話番号   0744-21-1115
※この電話番号は橿原市魅力創造部観光政策課の電話番号です。カーナビの設定にはご注意ください。
営業時間   8月~9月であればいつでも見ることはできますが、目の前が一般住宅なので、夜に行かれる方はお静かにお願いいたします。
定休日
交通案内
電車…近鉄線「畝傍御陵前」駅より徒歩10分、近鉄線「橿原神宮前」駅より徒歩20分
お車…臨時駐車場もありますが、道路は狭くなっていますので、電車で行かれるほうが良いでしょう。
駐車料金   無料
オフィシャルサイト 橿原探訪ナビ(ホテイアオイ開花状況)


奈良県橿原市に元薬師寺という場所があります。ここは天武9年(680)に天武天皇が皇后の病が治ることを祈願して建てられたお寺があった所です。

後に平城京遷都に伴い、薬師寺は今の奈良県奈良市西ノ京町に移転いたしました。移転後の薬師寺は、ユネスコの世界遺産にもなっております。元々はここ、橿原市にあったのですね。
薬師寺が移転してしまったので、残されたこの場所は”元”薬師寺と呼ばれるようになりました。

元薬師寺境内現在は立派な柱が乗っていたであろう痕跡と、建物がひとつ残っているだけです。

橿原市のこの場所で世界中からの嫌われ者『蒼い悪魔』が見られると聞いたので、早速行ってみました。

観てください。見事に綺麗に咲いています。
元薬師寺の周りには水田が広がっており、その中で休耕中の水田約1.4haに植えられています。
この事業は、米の生産量調整の一環として行われているものですが、今ではカメラマンも多く、景観保持の役割も果たしているのではないでしょうか?

ホテイアオイ定植農園 うねび北小学校2年生が植えたホテイアオイです。ホテイアオイ定植農園 うねび北小学校2年生が植えたホテイアオイです。

この咲いている蒼い花は、地元の農家で構成されている「城殿町霜月会」が中心となって栽培前の水田の土を耕したり、水管理を行ったりして栽培されているものです。
案内板にもあるように、小学校の生徒さんも参加されています。

今日は曇りでした。
晴れていればもっと綺麗だったんですけどね…

水田の中には奥まで歩いていけるように小道が作られております。
時期になると写真を撮影する人々が多くなってきますが、ここは三脚使用は禁止されています。
小道の幅が狭いので、ぶつかったりすると水田の中にはまってしまって怪我をする恐れがあるので、当然ですね。
お年を召したご夫婦も見に来られていますので、思いやりの気持ちを持って観覧しましょう。

境内にも少し咲いておりました。

この蒼い花の名前は”ホテイアオイ(布袋葵/学名Eichhornia crassipes)”という花で、別名ウォーターヒヤシンスとも言います。
でもなぜ『蒼い悪魔』と言われるのか?どうして世界中から嫌われているのか?

この花は南アメリカ原産の水草で、流れの穏やかな川や湖で水面に浮かびながら生育する植物です。
葉柄が風船のような形になっており、それを浮袋にして水の上に浮いています。
日本では、福をもたらす神として信仰されている”布袋様”の膨らんだおなかに似ているということで、ホテイアオイと呼ばれています。

布袋様
布袋様

実はこの花、日本だけではなくヨーロッパ、オセアニア、韓国、東南アジアなど広域に分布しています。寒さに弱いため、10月頃から冬になるにつれて枯れてしまいますが、非常に繁殖力が強く、部分的に株が残っていれば翌年にはまた大繁殖します。

水草なので水面を覆いつくすことにより、その真下の水中では魚が生きていけなくなったり、枯れてしまった後の腐敗臭がものすごかったり、船のスクリューに絡まったりして漁業に多大な影響を及ぼしています。

これが『蒼い悪魔』と呼ばれる所以です。
国際自然保護連合(IUCN)の世界の侵略的外来種worst100にも入っているそうです。

それにしても美しい…。
この場所では毎年7月ごろに植え付け、9月いっぱいまでが見ごろとなっております。
奈良県に来られた際、時期が合えば立ち寄ってみてはいかがでしょうか?


 

 

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